Home > 2009年07月

2009年07月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  • Comments (Close): -
  • TrackBack (Close): -

マーファというところ・あとがき!

Texas

美術館を訪れた次の日、もう一日マーファに滞在。
マーファは本当に小さな町で、1時間で街の端から端まで歩いて往復できてしまうほど。
ジャッドの美術館の影響で、若い芸術家たちがちょっとずつ集まってきてギャラリー経営を始めたりしていますが(ちょうど、中崎町のギャラリーサイズくらい。)
街の経済力には到底なりえないだろう…という感じ。(中崎町みたいに近くに梅田もないし…)
泊まったホテルも、地元テキサスの建築家が現代風におしゃれに改装したという、マーファではちょっと話題のモーテルhotel thunderbirdというところに泊まったのですが、
たしかにおしゃれだけど割高なうえに、サービスもいまいち…そしておしゃれはしてるけれど、せっかく古い建物を改装した利点がまったく生かされていない状態。
ちょうど、街の縮図を見ているようでした…。

それでも、マーファに行く!という人がいたら、私はむしろ勧めると思います…そして私自身、じつはもう一度行きたいとさえ思う。
その理由は本編の美術館と、そしてもうひとつわけが…それがあとがき編です。

ホテルのマップを見ていると、ジャッド美術館の運営を支えているChinati財団の所有するhot spring(=温泉!!!)なるものをみうちが発見。
温泉と聞けば、これは行くしかない。
ホテルの人に行き方を確認すると、
「60mile(100kmくらい。)行ったらあるよ。30mileくらいから舗装のない道なんだけど。絶対お勧め!!!beautifulだから!!!」と。
5時間ドライブとかをこなしてきた今、60mile(100kmくらい。)ということは(普通の計算では)1時間くらいのドライブやし行けるやん!
と、出発。
最初の30mile、舗装の道は、地形の起伏全く無視のまっすぐな道。誰もいない。
次の30mileは…想像以上のでこぼこ道でした。
レンタカーは完全保健なので、がりがり言っても突き進む笑(何かにこすっているのではなく、岩だらけ過ぎて、普通に走っていてがりがりこするのです。)
時速は常に10mile/hか、それ以下。
常に道の片方は崖。しかも、左右交互に崖は現れる。
ハンドルをLAのとき以上に握りしめる。落ちたら死ぬ。
必要最低限の手を加えただけの、かろうじて道、と呼べる感じの、道。
映画の平和なワンシーンの名わき役、「地球の毛」も生えていなくなり、乾燥地帯…見たことのない気味悪いいかにも乾燥地に生えていそうな植物が地球の毛にとってかわる。
暑い…
そしたら突如、その中に異様に青々とした木々の一帯が谷底に…たぶん川のあるところ。
でも、途中川らしきとこを横断したら…乾いている。。。
不気味に人の住んだ痕跡もある…でも廃墟だったり。
60mile中ずっと一本道で、轍もあって、迷いようはない…ナビも一応道を示している。
引き返そうか、
と言いながら、
待って!あのひとやま越えてみよう!
と言いながら、
でもいよいよ引き返そう!
てなった時に電柱と電線が現れて、
やっぱり先に進む笑

電柱と電線を発見してからさらに1.5倍くらいのでこぼこ道を命の危機を感じながら進み(リアルに!)
とうとう到着…といっても看板もない。ナビと見えるものからの予想…
…しまってる!!!!
ゲートのはるか向こうになにかがあるけれど、どうしようもない…
見えているにもかかわらず、歩いていくなんて絶対無理な、あたりの景色。
外に出ることさえもなんだか怖い。
仕方ないのでまた、引き返しました

舗装の道まで戻ってきたときには、達成感でした。
私たち生きてるよ、と。笑
あとはただひたすら直線道をあがったりくだったりするだけ。あたりにはたまに牛と馬が放し飼いにされている以外だれもいないけれど、ガソリンがある限り生きては帰れる。…ガソリン朝のうちにいれといてよかった。。。
…そしたら前方に駐車している白いバンが。
私たちが追い越すと発車して追ってくる。…明らかに私たちが追われてる!!
国境警察でした。
メキシコとの国境が近く、警備しているのだそう。
明らかに怪しくない能天気な日本人2人だと思うのですが、向こうは真剣。
小さい普通の車でhot springを目指すという話が信じられないらしいです。ホテルの兄ちゃん…道のことも少し教えてくれてもよかったのに…笑
2人ともパスポートと、パスポートにたまたま挟みっぱなしにしててはらりと落ちた使用済みの飛行機のチケットも念入りに調べられて、
牢屋に放り込まれることはなく、疑ってごめんねーと言われながら無事解放。

メキシコとの国境問題の深刻な状況は、先学期、レクチャーを受けたばかりでした。(5月に少しだけブログでも触れました…)
メキシコ側から不法入国をする人が後を絶たず、そして入国したあとも、国境付近での死亡者数はすごく高い。収入は低い…
昔はすごく柔軟に対応してきた国境線が、
今は本当に厳重な壁がずっとどこまでも続いている絵が思い出されます。
それを越えて、そしてどんな不安な思いであの地帯を抜けるんでしょう…、
そして、やっと越えたら国境警察に見つかって、牢屋に行くしかない。あるいはそれにおびえながらの厳しい生活。
先学期のあの日、建築のテーマとして、これほどの切迫したものを扱っていたのかとはっとしました。

…とまあ、すごい無茶をしたようなんですが、マーファに着きさえすればマーファの人ならだれでも知っているれっきとした観光地。アメリカ人タフです。
そして、あとでみつけたある人の旅行記には道は大事な観光の一部(しかも結構な割合)として紹介されていました笑
ただ家族が経営している小さな観光地のために、メディアにはあまり載せていないみたいです。
きれい…ぜひ、今度はジープで、いつかリベンジしたいものです!!

Chinati Hot Springs

マーファというところ・本編

Texas

0713 court yard

0713 neko


木陰で、風がそよそよと吹く、めちゃめちゃきもちいい中庭(これも兵士に使われてた建物の改装。U字型になってて、そこに回廊がめぐっている)に座って、そこに飼われている…というか、広大な敷地で気ままに飼われていて人慣れしている野良たちと戯れながらしばし待って、ツアーがスタート。
別のこれまた兵士に使われてた建物にジャッドが半円形の屋根をかけたという建物へ。
そして対面。

コレ!

0713 marfa01

初めて箱の行列の中に入ってみて、ようやく楽しいぞ!と思いました。
自分が動くと箱が現われたり消えたりするんです。
広大な景色と、兵士の建物と、ときどき姿を現す動物と、遠くのコンクリートの箱の列と、自分の姿と、みうちとほかのツアー参加者と、箱のつくる光と影とが現われたり隠れたりします。
人が歩く音と話す声以外にはすごくしーんとしていて、ときどきぴしって音も聞こえます。
…反射素材でつくられた、ただの箱の行列が、ここにたどり着くまでにすっかり見慣れた鳥の飛び出し注意!の草原(「地球の産毛」笑)と兵士の建物とを少しだけ特別に見せてくれます。
いやでもそこに存在している時間のことを考えます。
ほんまに、ここに書く以上に不思議な体験でした。

0713 miuchi

入る人間の数は制限されるし、動物は「放し飼い」だし、「ゲート」は設定されている、あくまで「美術館」、でも、ここでは作品と自分の間の境界線が、特別な形でだけど、少しだけ薄まります。

その性格ゆえに、作品は刻々と変化します…

ツアーの後半、天気は激変。
いっきに曇ったかと思うと、突風、そして稲妻!!!
映画の平和なワンシーンで黄金色に輝く様子を想像させた「地球のうぶ毛」はわさわさと揺れて、
一気に大ピンチの一歩手前のシーンに転換。
このときにはもう、箱の部屋は去っていましたが、あの箱の間を歩いた体験は残っていて、違う様相をたたえてそこにありました。

0713 cloud


文章力がもっとあれば…もしくは文章にするべきものではないのかも?
いずれにしても、なかなか衝撃的でした。頭を使うよりは、感じる、ということが素直にできました。

他にも作品がありましたが、これにつきます笑

…でもふたつほどほかの作品も紹介…

ひとつはおなじくジャッドの作品で、
これらの建物がまだ兵士によって使われていたとき、兵士が壁に書いた絵に、額をつけただけのもの。建物は当時のままなんの手もくわえられていないので廃墟同然です。

もうひとつはあるロシア人の作品なんですが、「朽ちる」がテーマの作品。
建物(これまた、兵士のやつ。)いっこをまるまるロシアの小学校に見立てていて、
ただし朽ちるがままにしています。朽ちてる様子を、すでにつくる段階でも表現しています。
でも、ここは、繰り返すようですが体験型の「美術館」で、
人間は床に落ちてる新聞紙の破片をふんだらダメ。
家具の上のほこりもさわっちゃダメ。
その一方で、動物や風が「朽ちる」の触媒として作用しやすいように、新しい窓やドアが既存の建物に付け加えられていました。
今の「廃墟」に対する考えのさきがけ的な作品。

2つの作品は、手を加えた部分そのものに対して正反対の方向を目指している(保存vs朽ちる)。
でもテーマ(保存と朽ちる)はおんなじです。
…ジャッドのやり方の鮮やかさが際立ちます。

帰りも悪天候の元、少しだけ猫と戯れてから、満足して去りました。

マーファというところ ・はじめに…

Texas

「テキサスいくねん!」
と友達に話すと2通りの返事が返ってきたものでした…
1.「なんでテキサスなんっ!?」
2.「テキサス!いいねー」
回答1の理由は、信じがたいほどに暑い、何もない、何もないのにだだっ広い、怪しいやつはとりあえず牢屋に入れられる(「牢屋にいれられたらその晩の間に一回だけ電話することが許されるから誰に電話するか考えておきなさい。」)、肥満率が高い、男の人が少しでもおしゃれするとゲイに間違えられる(=みんなおしゃれに興味がない)、地域によってはものすごく保守的、など。
そして、回答2をする人ほぼ100%が、ジャッドの美術館のある場所だから、ということが理由でした…

設計の先生、柏木先生の授業でジャッドのことははじめて知りました。
研究室の先生、末包先生の話にも時折出現しました。
シアトルの美術館にも作品があります。
そして、くる前の、ジャッドを知る友達たちの反応。
だけど、美術館にあるジャッドの作品を前にした私にはどうしても箱の行列…以上の感情がわかない。。。

(またかえってわかりにくいたとえかもしれないけれど、
中国語をまったく知らない私が中国語の小説を手にしてる感じ。
…うん、たしかに漢字。
そして、なんとなく意味もわかるようだし、内容も複雑そうだってことはわかるし、漢字いっこいっこもそりゃそれで洗練されている文字の形なんだろうけれど、
決して感動までは呼ばない。
なんかレ点うってみるとか、コツさえつかめば楽しいんだろうけど…
そんな感じ。)

前置きがだいぶん長くなりましたが笑、そんなわけで、よくわからないけどなんだか気になる、ジャッドが愛して自ら美術館を建てたという、超のつく辺鄙な土地に行ってみようということになったわけです。(こんだけ辺鄙な土地に建てようという情熱と、あの禁欲的な箱の行列のギャップに興味をそそられたのです…。)

LAからダラス、そしてさらにミッドランドへ。
ミッドランドはまっ平。そしてところどころに正円と四角形のパッチ模様。
空港で隣の席になったミッドランドの教会で働く父、ベンさんがいろいろ教えてくれました。
正円はクロレラ畑だそうです。水源は一番近くの川でも車で三時間とからしく、(しかもこの川がまた、グランドキャニオンと同じコロラド川らしい!)スプリンクラー栽培です。
そして四角の方が、結構な数あるんですが、なんと石油を掘ってる!
実際、降りたって車に乗り換えると、はじめは車が故障したのかと思ったくらいに、石油の香り…
そして、装置は寡黙な労働者…て言葉を思い出してつらいね、とみうちと話していたのですが、
信じられないような暑い日にも、
大雨の日にも、
ただただ平らな乾燥した台地の上で同じスピードでうなづき続けていました…
ミッドランドではこの一週間が一年で一番暑い!時期なんだそうで、
でもこの時期を越えたら、アリゾナの砂漠地帯のどうしようもないとこに比べたら全然ましなんだそう。
そして、マーファはそれより南ですが、そちらの方にいけば丘がちになってきてさらにすごしやすい、とのこと。ラッキー。
ちなみにベンさんは、マーファといえばミステリーライトで、ジャッドミュージアムは知らないな~て言ってました…
ミッドランド空港のあたりにはなにもなさすぎて、
降り立つとき
「ヘイっ!!あれが僕たちのいる教会。」
て突然いわれて、でもなんとちゃんと認識できました笑。

朝10時からの「ツアー」に参加するために、朝6時、まだ暗い中出発。
LAと違って、車の少ないこと!笑
そしてやっぱり常に120kmごえ。
常にではないにせよ、制限速度がそうなんです。
平から、マーファに近づくにつれ丘だらけに…気がついたらぐねぐね。
景色は緑色になってきて、寡黙な労働者もいなくなり、なんだかおとぎ話の世界になっていきます笑
木が少ない。
生えてても低くて、
すると鳥たちは草むらの中にとまる。
大自然の中に道路を通らせてもらっている状態だから、鳥の飛び出しが多いのには本当にひやひやしっぱなしでした…そんなに女の子に夢中になってないでちゃんと120キロでやってくる車を見てっ!

コンクリートの箱の列と、映画に取ったら黄金色に写るに違いないくさむらと(これはドライブ中から現れ出して、みうちと私はこれを「地球の産毛」と名付けました笑)、インパラっぽい動物(もののけ姫のヤックルに似た動物)が「放し飼い」にされている場所に到着。…ここに違いない笑。「ゲート」の前で待つ。
もともとはメキシコ独立から第二次世界大戦を経て兵士たちの駐屯地として使われ続けてきた場所なのだそう。
そこにジャッドが1970年頃から建築にも手を加え、作品も展示し、ほかのアーティストも招いて、ここを作ったのだそう。
新手の「美術館」です。

中途半端だけど、
つづく…

建築三昧とマイケルと車と 2

Los Angeles

…いまだに旅の内容ですが、無事旅は終えました。生きて帰ってきました。
今は毎日シアトルパブリックライブラリーに通っています…それなりに楽しいけれど、やっぱりなんにも進んでいない、不安な日々。帰る日は刻々と迫ってきて、苦手な手続きとも格闘中。です。

さて。本文。

…Los Angelesはスペイン語のlos ángeles(=the angeles, 天使たち)に由来するそうです。
なんて名前!
アリゾナを越えてやってきた私たちには、ここには天使が住むのもわかる…気もしなくもありませんでした。心地いい気候。ときにさわやかな風。さんさんとした太陽。

LAは巨大。
シアトルと同じ気分で地図を眺めていると、思ったよりも遠く感じてびっくりします。
そして車の多さにも驚きます。
そしてその相乗効果で、行動範囲も広くならざるを得ない…帰ってきてからNY出身の友達と話をしていると、飲みに行くのひとつとっても、LAとNYでは移動しなければならない距離がちがう、とのこと。
ただ、いいかえれば、その移動距離が、その場所の個性をキープしてもいるらしい。ほんとにいろんな場所がある。

LAといえば、私の所属するすえけんの先生、先輩の研究の地でもあります。
ノイトラやシンドラーや、ケーススタディハウスの建築家たちも、この、日本とは全然違う明るさのある空気のもと、場所に合わせて設計をしていたのでしょうか…。

LAの中央図書館でノイトラのパース展を見る。
ノイトラは、一昨年の先輩の研究していた建築家で、そのドラキュラのような一家の写真とエゴン・シーレに似たタッチの美しいパースに衝撃を受けました。
…ビルのパースのやる気のないこと笑
それにくらべて、たぶんノイトラの理想の生活のある空間を、一体的に、より美しく、詳しく描いている印象を受けました。外観と内観が同時に描かれている種のパースが、ほんとうに美しく、生き生きして見えました。

カラフルな色遣いで描かれるランドスケープは、この気候とイメージががっちりと合います。
色と質感と空間の構成と。
…この時代の作品はそれらをばらばらにデザインしていたかもしれません。
未完のパースを見ていると、そんな気がしたりもします。
でも、これらが一体でデザインされたら…人と建築とが、あるいは環境と建築とがコミュニケーションする上で、とっても大事なことなような気がしました。

次に向かったのはシンドラーの家…ハリウッド方面へ。
マイケルのお葬式(たぶん支所?)が行われていました。人。人、人。

入って一番初めに思ったのは、日本っぽい。おばあちゃんちっぽい。
…でもすぐにそれは素材と、植わっている竹の印象だ、という考えに行き着きました。
深い深い茶色の木でできていて、天井も低い。
でも、
おばあちゃんちとちがって笑、
ずっと屋根…ではなく、低い天井の上には明かりとりの窓があって外がそこにあって、
部屋がひとつながり…というよりは壁とドアで細かく区切られていて、
中の床と外の地面は別でなく、つーっと外まで続いていて、
建物の中での心地いい視線の高さももちろん違っていて、(外の木の下のコンクリートの上は、座っていてほんとうに心地いい場所でした。)
不思議でした。

0709シンドラー


外は庭…というよりは敷地内の外、ていう方がしっくりきます。
すごく手入れはされているし、もちろんデザインのされているんだけれど、そこにあって当たり前。という印象で、(これも日本庭園とはちがった印象で、)
外が先にデザインされたに違いない。と思うほどに、
外の居心地がよく笑、また、中も外ありきで心地よい場所でした。

…夕暮れのひととき、心地よく座り込んで時をすごしました。

その後はまたさんざん。笑
フィリップ・ジョンソンのカテドラルは中には入れず…でもあまり後悔はせず…笑。
弟の土産のため、やっとみつけてやっと駐車してやっとたどりついたレイカーズショップは閉店していて。
夕飯にとたちよったおしゃれなカフェは徹底的ベジタリアンのお店で、ラップを頼むも普通ならパン生地であるべき部分まではっぱで。
そんな一日でした。
LAは、次の目的地の都合により、この一日で去ります…




建築三昧とマイケルと車と 1

Phoenix / Los Angeles

次の都市はフェニックスです。
ここでの目的はWill Bruderという人が設計した図書館。
入ったら、宇宙船のよう笑
隣の公園とは完全にアクセスが切れていたり、
絶対動きそうなフィンが固定されていたりと、
事前に見る感じでは??な感じの図書館でしたが、
行ってみると、市民に愛される居心地のよい図書館でした。
天井は高く、いろんな空間が用意されていて、
シアトルの図書館とは形もコンセプトも違うけれど、でも同じようにいろんな層の市民の公園のように使われていました。
(さらに外はこの暑さ…図書館(=屋内の公園)は重要な場所。)
自由で、静かにもなれるし、交流の場でもある場所です。そして、誰にも開かれてる場所。

この後、旅でもっとも過酷な暑さを体験し…
5時間のドライブを経て…

Los Angelesへ。
マイケルジャクソンが亡くなったその日、ラジオでそのニュースを聞きながら、
自分たちも日本のGW並みの交通量と、なのに時速100kmを緩めない車の群れに命の危機を感じながら、ナビの嘘に惑わされながらの(どういうわけか、6車線の高速を端から端まで横断させて、一度高速を降り、もう一度同じ高速に乗せさせたがる)、
Los Angeles入り。

モーテルに帰ってテレビをつけてみれば、マイケル・ジャクソン一色でした。
この状況はこの旅中続きました。テレビが付いていればいつも、オバマさんか、マイケルか。
スターが大好きなアメリカ…。
でも、スターはそのかわり、本物の天才(いろんな意味で)だと思います。ついついひき込まれてしまう。
私も中学生くらいのときスリラーを見て、…いや見入ってしまいました。
追悼番組も、ついていると、そのダンス、歌についつい見入ってしまいます。

LA着の次の日は建築巡りの日。
…の前に駐車には本当に困りました。ちょっと停めるだけで$10-かかる。
そこで、道路のパーキングなら一時間$4ですむ!ということで探しまわるも…いっぱいだったり、遠すぎたり、やっと停めたら一時的に駐車禁止だったり、loading onlyだったり、縦列駐車が下手だったり(…は、私の問題。)…駐車だけに一時間は費やしました。

まずはラファエロ・モネオのカテドラル。
教会建築というのは、どうも自分がよそ者の気がして、その気持ちが邪魔をして本当に落ち着く…ということはあまりないのですが、
この教会は普段にも増して、不安定な気持ちにさえなりました。きれいなんだけれど。
中心がなくて、なのに家具も含めて統一的なデザインで、静寂で、どこまでも上へ上へとでっかい空間が伸びていて…。
外から見た時の建物の塊のでかさには、驚きました。

ハイウェイを挟んで向かいにあるCOOP...のハイスクールfor performing artは、まだ工事用の囲いをつけたまま(HPでは完成してることになっているんだけど…)、よくわからない独特の雰囲気を醸し出していました笑 意外に、LAのダウンタウンの中では、目は引くし、やったなー…とは思うけれど、うん。と納得してしまう感じもあります。(シアトルの図書館もじつはそんな感じがあります。)
…あの蛇の中にはなにがはいっているんだろう…??(ネットの説明を見る限りは、空っぽ…?)

磯崎新の美術館を横目に見ながら次に向かったのがゲーリーのディズニーコンサートホール。
あのスタイルとして、洗練されていました。中は気持ちよかったです。
音声セルフガイドを貸してもらって、それに従って自由に一時間くらいツアーします。
それによると、当初の予定では外壁は全部石になるところだったとか…だいぶんと印象もコンセプトも変わりそうですが笑
目を引いたのは、中の工業用のフェルトを使った壁と、庭。
壁は壁でおもしろかった、てだけなんですが、3階レベルくらいにある、通りから通り抜け可能な庭は、通りとつなぐ…というコンセプトは達成できてはいないような気がしたけれど、秘密の花園的存在として、心地のよいものでした。
地元でもともと育ってる植物を使って、全部背の低いものが使われていて、摩天楼の頭が見えて、街は見下ろそうと思えば見下ろせて、
ディズニーの神秘的な様子と、LAっぽさを併せ持っていました。
ファッションの撮影が行われていました。
銀ぎらの服を着た、ばっちりメイクして威嚇的なポーズをとる長身金髪美人と、それを撮るカメラマン…
建物とこの光景よく似合っていて、説明しているとなかなかの非日常。
だけどこれもまた、うん。とLAのダウンタウンの中では、納得できてしまう笑

もう車を動かすのはあきらめよう…と、歩いて向かったのがBradbury Building。
ちょっときけんな香りのする(昼間は大丈夫)街の、一見どこにでもある石造りの建物。
中は、ずっと上まで吹き抜けていて、木と、鉄の細工の行き届いた空間が広がっています。
通りの続きのような感覚で、でも外とは違って明るくて清潔な感じで、しっかり監視もされていて笑、
そしてなによりうれしかったのが、鉄製のエレベーターに出会ったこと!
今はもう、新規にはつくれないのだと、スタジオで言われました(噴水だけでなく、これも使ってみようとしたのです笑 手は加えて、ね。)

こんな感じで、LA第一弾はこの辺で…。

常識

Flagstaff / Arcosanti

グランドキャニオンを出ると、久々にまた景色に潤いが戻ってきました。
木が生えてる!
そして、一面の乾燥地帯にも感激したけれど、私たちはやっぱり木が好きだね、と気づく。
次の行先はフラッグスタッフという街です。
本当は、ジェームズ・タレルのローデンクレーターにものすごくいきたかったのですが、(タレルが死火山いっこまるごと買い取って(!)、その山に展示室ごとつくるっていう、アート作品。火山までは、フラッグスタッフから砂漠の中をジープで行くしかなくて、滞在の客しか受け付けない。この工程全部が作品の一部っていう壮大な作品です。)
事前に手紙を出したら返事が来て、
工事は大幅に遅れて、まだ公開できる状態にない、とのこと…完成は2012年予定、らしい。残念!

でも、通り道の街なので寄ってみる。

ローデンクレーターのイメージからすごく乾燥した暑いところを思い浮かべていたら、
みずみずしくて、どういうわけか、美男美女ばかりの街でした。(老若男女、みんなつやがある!)
もともと鉄道と、大陸を横断するルート66のおかげで栄えた小さな街らしく、
今は観光になっていました。近くに大学もあるみたい。小さな町の中心の外はすぐ、住宅地になっています。中流くらいの人たちの家。
街の中心の建物は低層(高くて4階くらい)で、古い建物をそのまま使っています。
区画はちいさく(ポートランドを思い出すスケールの感じ。)カフェや雑貨屋さんや、洋服屋や映画館やらが並ぶ、歩いて楽しい街でした。
そのうえ、出会う美男美女がみな(ほんとにみんな!)挨拶してってくれます笑
コミュニティのしっかりした田舎の町という感じで、居心地よかったです。

0704 フラッグスタッフ

たまたまみつけた写真のスタジオに寄り道。
サンタさんに夏の格好をさせたみたいな写真家のおじさんと、その飼い犬と、たまたまやっていたフラッグスタッフ在住の日本人写真家の個展に癒される。
…日本に帰って働きだしたら、カメラ買って絶対どこかに暗室作ろう。
おじさんに教えてもらったカフェでお昼ごはんをして、次の目的地に向かいました。

次はARCOSANTIというところです。
ここはパオロ・ソレリという人が発案した'an urban laboratory?'という副題のついたクラフト・建築・都市の実践の場。
アーコロジー(architeture + ecology)というコンセプトのもと、1970年のヒッピーの時代から、コンセプトに賛同して集まってきた若者と専門家集団によって手作りで建設が進められています。
今あるアーコサンティは全体の構想のほんの一部だそうで、食堂に張られていた完聖形のレンダリングパースは…壮大でした。

前置きはこんな感じで…つまり、なんとなく面白い事はやっていそうだけど、読んでもよくわからない、というのが正直なところでした。
そして行ってみた。笑

アーコサンティはとにかく辺鄙なところにありました。信じられないくらい、暑い。
アーコサンティ以外になにもない笑
着いて、とりあえず日の入りを待とうということに。

夕飯は久々に胃にもたれない感じのメニュー。
住んでいる人たちと同じメニューです。
ようやく涼しくなってきて、外の舞台のところに座ることに。
…すると、住人らしき人が一人、また一人と集まってくる。
…どうやらサーカスの練習が始まったようです。サーカスて笑
エキゾチックな音楽が流れ始めて、大人も子供も一緒になって紐のついたボールで技を練習したり、
ライオン・キングのミュージカルに出てきそうな竹馬に乗って走りまわったり。
そしてそれを写真に撮り続ける人がいたり。
唖然とする私たちは、彼らにとったら空気のよう。まったくの無視。
竹馬にのった子供たちだけには私たちが見えるようで笑、高い木になっていたアプリコットを取ってくれました。
私たちにとったら異様な世界、コミュニティの存在でした…

0704 アーコサンティ


建築はパースに描かれた規則的な形の連続からは離れているように感じられました。
材料の質も、それほどよくない。
少し外に出てみると、処理しきれなくなったゴミが山になって放置されていて、
そこにはなんと人が寝ていました。
常識が違う世界、批判するつもりはありません。これはこれ。というか、実際の都市の縮図なのかもしれません。
ただ、外に対してこんなに閉じてていいのかな…という気持ちはぬぐい切れませんでした。

またあたりが暗闇に包まれて、少し離れたところにあるロッジに帰りました。
外でぼーっとしていると、ロッジの隣人の、2週間のワークショップに参加しているという、カナダ人の男の人が訪ねてきました。暗すぎて顔は見えませんでしたが笑
奥さんと子供をカナダにおいてきてこのワークショップに参加しているんだとか笑
朝6時に起床して、まず飛んだり跳ねたりすることから始まるそうです。
('crazy! but cool.'と彼。)
ここはパッションと文化の集積地なんだと。
砂漠でなにもない→お茶が飲みたい→湯呑が必要→じゃあ、つくる。
この過程を、各国から集まってきたプロたちがここにあるもので行う。この過程を全うするためにはパッションが必要。(湯のみじゃなくても、お茶は飲もうと思ったら飲めるもんね。)
それで、今日のここがある、そうです。
ただ、洗練というものがたりない…
なんとなくわかる気がしました。どれだけの人が、ここに永住しているのか…気になりました。サーカスを見る限りでは、そう多くはない気がしました。

それからひとしきり、いろんな話をしたあと、
「プールに飛び込んでくる」といって、カナダ人の彼は真っ暗やみに去っていきました。
誘ってくれたけれども、丁重にお断りしました。

…へんなところ!



Canyons

Arizona

あいかわらず、ひたすら乾燥地帯をドライブ…
まずはAntelope Canyonです。
ここは、こんなに乾燥しているのにもかかわらず、毎年洪水に見舞われるそうで(!)、それによって削られてできた形…といっていたと思います。
ずっと上方から、流線形のでこぼこした(うまい表現がみつからない…)細いほら穴を通して差し込む光は、そのほら穴の形ゆえに、時間や場所によって下まで届いたり、届かなかったりします。
ほら穴自体も、毎年の洪水によって形が変化するのだそう。うそみたいです。

0703 Antelope01

で、
光と、そしてでっかい神秘的なほら穴よりも足元の砂に興味津々な子供

0703 Antelope02

たしかに、座って触ってみると、足もとの砂はさらさらで、ひんやりしていてとても気持ちよかったです。
神秘的…っていうのは大人になってから思うようになる感情なのか…それとも距離(身長)の問題?
キャニオン自体は素敵だったけれども、私たちはまた集団でのツアーに疲れる…笑

ツアーのあとは、念願のグランドキャニオンに向かいます。
(キャンティレバーの、谷に臨む建築は、行ってみたかったけれどめちゃくちゃ遠い上に高いので断念!ラスベガスとナショナルパークのちょうど間位を寄り道したら行けるみたいです。)

でかい!!!!!!

単純ですがこれが第一の感想です。
でかいというのか…広いというのか、大きいというのか。全部混ぜたような感じです。 
夕日が沈むのを眺めました。
不思議ですが、いろんな形に削れているのに、
層はどこまでも水平に続いていて、
頂上も平らで、どこも同じ高さ。
でも、繰り返しますが、いろんな形をしています。
ちっちゃな理論と例外が無限に(文字通り無限に!)重なって、
こんだけの景色ができるんだからすごい。
普段はやかましいアメリカ人も笑押し黙るほどの静寂…というよりはしゃべっても声がどこかに吸い込まれていくんです。
日が沈んでしばらくすれば、
真っ暗。
足元の段差さえも見えません。もちろん、キャニオンも。月のない夜だったので、空は360°、どっちを向いても無数の星でした。…すえけんの天体博士の「ナメック星」も肉眼で見えてたかもしれません。
寝っ転がって、虫の声を聞きながら、心地よい気温と風の中でぼーっとしました。

次の日は、じゃあどれくらいでかいのか体験してみようということで、
谷を下るトレイルに挑戦。
トレイルは急で、狭くて、滑りやすく、でも、自己責任でいってらっしゃい。という感じでした笑
ほんとうの谷底、コロラド川に降りるのは、日帰りは無理です。ということだけはしっかりと書かれていました。
12層あるといわれるグランドキャニオン。
私たちはほんの2層分くらい?の往復でギブアップ笑
いつか、めちゃくちゃ体力をつけて谷底でキャンプするぞー
…と言いながら、去ります。





大自然と人間と

Lake Powell

ラスベガスで真っ赤でいかつい車を借りて、ここからはドライブ。
ぎゃあぎゃあ言いながらの旅です。
GPSは必須。賢い。
たまに嘘もつきます笑、なので、だいたいどこに行きたいのかは把握していないといけませんが、住所を入れれば、ややこしい分岐点でも、適格に指示をだしてくれます。

人工の裏表のはっきりした町を出て、大自然ゾーンに突入。
視界に入るものは文字通り、ごつごつした石と岩の砂漠と、ずーっと遠くまで見える、道。
写真では、どんな広角レンズをもってしても収まらないほどの、光景。
こんなに広ければ、ここを抜け出すのは不可能なんじゃないかと思うけれど、(ここに放り出されたら、3日のうちに死んでしまいそう。)
車を走らせるうちに景色は少しずつ変化するし、目的地にもちゃんと着きます。

この日はレイク・パウエルというところに。
眼下に、どこまでも広がる砂漠の中で見る水は、特別でした。
ただきれいなだけじゃなくて、心まで久々に潤った感じがしました。
ふと、飛行機から見たラスベガスを思い出して、ちょっとおかしくなりました。

せっかくなので、水辺までおりてみます。
…ここも降りれたときにはびっくりしました。さっきまではずっと下に広がる景色だったので。

0629 Lake Powell

信じられないくらいの時間をかけて風が作ったであろう自然の造形があって、そこに人間がそれにくらべたらずっと短時間で、自然にはかなわない…とあきらめることなく、何かをつくって挑んでいく、
成果物はどっちも、別のものとして、美しいなーと思います。

この第一歩から、大都会まで作りだしてしまう人間だってすごい!
そしてアメリカは、その動機となる「パッション」のものすごく強い国な気がします。…時に荒さは目立ちますが笑

涼しい夕べ、日の入りを眺めながら、私たちはちっぽけだなーと感慨にふけりつつ、昨日(ラスベガス)とは全く違う静かな夜を堪能しました。

Home > 2009年07月

Recent Comments
Recent Trackback
Search
Meta
Links
Feeds

Page Top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。