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2010年11月06日

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小旅行

Prague

…または、チェコ語ではPraha。日本語の方が正しいんです。
先週末、格安航空券で片道2時間弱、パヤさん、ミランさん夫婦を尋ねてプラハでウルルン滞在記してきました。
快晴!秋のほどよい気候でほんとに気持ちよかったです。
パヤさんは2週間後にはママになるという…!
パヤさんは建築専門で、今は産休中ですが、友人の家を手掛けているそうです。
ミランさんはSE。
2人ともアウトドア大好き!旅行大好き!で、こだわりをたくさん持っている相性抜群な夫婦です。
自宅も、パネラックという、煉瓦ではないパネルで建てた眺めのいいアパートの一室を安くで購入し、
最近自ら改装したもので、愛情がたっぷり!かけられた素敵なおうちでした。
子供が生まれてある程度大きくなったら、週末のコテージを郊外に買って改装or新築予定なんだとか。
贅沢に聞こえますがチェコではポピュラーなライフスタイルらしいです…いい生活。


お土産に、オーブン料理・チーズケーキ持参!
ご心配おかけしましたが、毎日オーブンで調理して夕飯も食べてます。
30分待てば、素材の味がぎゅっと詰まったおいしい料理が食べられることが判明!し、毎日帰宅してからおなかすきすぎてそわそわしながら待ってます笑。


さて話はプラハに戻り。
プラハは市の周辺部はずーっと平らで何もなく、中心部に行くと丘が連なり、そこを街が覆っています。
世界遺産の街。
市中心の丘のてっぺんにお城が建っています。
てっぺん!とひげの音楽家のおじさん。

20101106ひげのおじさん


ひとつの教会が時間をかけて建てられたため、
途中で改修もされて、
ロマネスク、ゴシック、ルネサンスやバロックの様式が入り混じっています。
(…と詳しーく教えてもらいました笑)
ある時期までは建築の流行の最先端を追って建設されていたのに、
ある時期からはオリジナリティを問う改修がなされていることが興味深い!
そしてその「オリジナリティ」とはもはやどの時代の物を踏襲したらいいのか、わからない混合建築になっています。
融合するとこんな感じ…実は下の層と上の層では時代が違い、様式も違うそうです。

20101106教会


お城もいいけれど、お城の周辺の深い深いお堀だったところが私はお気に入りでした。
この丘+城壁を登って城を攻めようだなんてとうてい思えない…

20101106掘り


お堀のところにこっそりたたずむ現代建築家によるトンネル。

20101106現代建築1
20101106現代建築2


ホットワイン片手に教会へ向かい、時計の塔に登り、
別の丘の上に建つパヤさんミランさん宅を確認し、

20101106パヤさんち


観光地として有名なカレル橋を眺め、渡り、
(この時期でも観光客いっぱい!)

20101106カレル橋


ユダヤ人による旧市街へ。
美術館の2階のトイレからは(穴場!)、緑の中墓石が所狭しと並ぶユダヤ人のためのお墓が一望できました。
はじめて見る、土地の狭い日本もびっくりな窮屈さ。
不謹慎かもしれないけれど、雰囲気をたたえた素晴らしいランドスケープとなっていました。
あまりにも狭い敷地なので11層にもなって遺体が埋められているそうです。


夜、このお墓の「わけ」を垣間見ます。
パヤさん、ミランさんが大好きという、「Money from Hitler」という劇を観に行きました。
舞台は第二次世界大戦後のチェコ。
主人公はドイツ人であり、ユダヤ人のおばあさん。
おばあさんが幼いころ両親と兄弟はガス室に送られ、
おばあさんの娘時代に住んでいた場所や財産はすべてチェコ人によって奪われました。
おばあさんはこれらの記憶から時代の「被害者」だと信じていたのですが、
実はおばあさんの両親の時代には、ドイツ人がチェコ人を迫害していて、おばあさんの両親もそれに加担していたことが明らかになります。
初めは法的手段で財産を取り返そうとしていたおばあさんですが、
おばあさんにとっていいこと・悪いことを含め彼女の日記を出版することで、
ヒトラーによって狂わされた彼女の人生でお金をかせごう!というオチのお話し。
ほんの1,2世代前まで、時代によって誰もが悲惨な被害者であり、誰もが残忍な加害者だったチェコ…
あの窮屈なユダヤ人のお墓は街に残ったその傷跡だったわけです…
あらすじとは別で…。
少女時代・娘時代・おばあさんの時代(現代)の3つの時間がひとつの舞台上で展開されるのが巧み!でした。
舞台セットは建物のフレームが固定で設置されていて、家具の入れ替えだけでどの場面も表現されます。
その抽象化された家の表現が、舞台ではすごくすごく、うまく機能していました。


次の日は天然のでっかい岩の上に建つ小さくてとっても高い郊外のお城、ココリン城へ。
家族を守るために建てられたお城だったんだろうなー…という雰囲気をたたえる温かくて強い、繊細でダイナミックなお城でした。
石という素材の強さ!
20代近く持ち主が変わって、その間、一度も侵略されることがなかったそうです。
最後の持ち主はビジネスマン笑
その持ち主が、1910年代に廃墟同然だったこのお城を中にはいれるようにまでしたそうです。

20101106Kokorin城
20101106ココリン城


帰りにこれもまた郊外の街、ミュニークへ…
夏は観光客で賑わうのだそうですが、
秋はプラハとは違って地元の人だけ。がらんとしていました。
この街はモルダウ川(Vltava川)ともうひとつの川が合流する絶景を眺められる街!でした。
全然音楽に精通していませんが、
頭の中では『わが祖国』(←タイトルも後で調べた笑)がリピート再生!
本当は、私の中で再生されたこの曲の有名な個所はもっと下流のもっと雄大な流れの元でつくられたらしいですが、
十分にスケールがでかかったです…

20101106モルダウ川


シアトル滞在の最終日、観光客に交じって一人乗り込んだアンダーグラウンド・ツアーが楽しすぎて…
ミュニークの街にも、アンダーグラウンド・ツアーが!てことで参加笑
村上春樹さんの『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』、私の好きな小説のひとつですが、
何が好きかと言うと、そのストーリーより描かれている世界の構造です。
奇遇にも、パヤさんもアンダーグラウンド・ツアー好きらしく、2人で目を輝かせてヘルメット装着して参加!
参加者は私たち以外に3人だけ!笑
シアトルの地下は、下水の逆流を防ぐために車道を約建物一層分かさ上げした際に、歩道と建物は考慮されなかったため、結果機能しなくなってできたもの。
ミュニークの地下は、豊かなモルダウ川水資源を有効利用するための井戸を掘るために作った三層の水平に重なった地下空間がしばらく貯蔵庫や牢屋、避難場所として利用されていたもの。
井戸はなんとちょうど街の中央広場の真下にあって、そして50mの深さ!!
しかも驚くことに水面は私たちの足の下深くで常に動いていました…なんか不思議な感覚。
街の中央に水の供給源を置いておくことは災害時等機能しなくなる恐れがあることから、現在は市外におかれているそうで、現在は使用されていない井戸です。
ちなみに、日本の地下空間は、ショッピング街、ですね、それもまた趣深し笑

夜は映画鑑賞…これもくすっと笑えるように作られていますがチェコの複雑な歴史に関係するお話。
戦後のことです。
チェコの共産主義→資本主義という時代の移り変わりの中、熱列な共産主義支持派とリベラル派がいて、
彼らが同じアパート・同じ家族の中で、
なんとか自分の主義を貫きながら、なんとか仲良く?暮らそうと試行錯誤し、
うまくいきかけた頃にロシアやハンガリーの共産主義の国の介入によって再び暗黒の時代に突入するっていうあらすじ。
劇にしても、映画にしても、歴史の教科書でさらっと一文で書かれている内容の陰には、
「一般市民」の複雑で強くてせつない思いや感情、そしてそれでもなんとか明るく、「普通に」、「当たり前のように」やってくる毎日を生きよう!とする姿があったんだな―と、
ひと時、その世界に呑み込まれてほろりとしながら鑑賞しました。。。

チェコのゲーリーが以外と街に溶け込んでいたことや、
チェコの伝統的建物のディテールや、
チェコ・キュビズムが表層的だけれどいる空間の雰囲気は確実に作っていることを実感したことや、
それも本当に貴重な体験でしたが、
歴史に疎い私ですが、
ハクスブルク家やらヤンフスやらいろいろ…の、自分の時代からはちょっと想像しがたい昔の時代からずっと、
「チェコ」であるために、戦い続けた人々が築いてきた歴史を刻みつけている街に、
とっても感銘を受けました。
この歴史は日本という島国で生まれ育った私にとって肌で感じたことのなかった感情でした。
街はただ歴史的価値による「建物保存」として保存されているというのではなく、
守るべき何かがあるからその建物や街が保存されてきたんだなと実感しました。
そしたら、時に大胆な「今」も受け入れられ、
そして、善悪や好き嫌いは別にして、ひとつの歴史の層がきちんと積み重ねられて街が豊かになる気がします。
チェコは平和になって時が短く、貧しく、さあ、これから、どうなっていくのか楽しみです。

20101106アドバルーン


あと…チェコのご飯はおいしかったです!スイーツも。軽食も。家庭料理も。幸せ。

最後にパヤさんとミランさんに感謝…
普段は週末になるとアルプスに泊まり込みで行って月曜に全身筋肉痛で超ハッピーで出勤するという2人。
2度ほど冬のアルプスで遭難しかけたという2人。
パヤさんが妊婦さんになって地元の魅力にようやく気が付き、お互いに楽めるツアーを考えてくれた2人。
好きなことを全力でやっている二人の世界をつかの間共有させてもらって本当に楽しかったです。
元気な赤ちゃんが生まれることを祈って!!!

20101106パヤさんミランさん

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